パレートの「2:8の法則」にもあるように、売上を伸ばす要素として「顧客」は非常に重要です。
売上を安定して伸ばすために、いかに顧客を増やすのか、則ち優良顧客をどう増やすのか、に対してどの企業も非常に時間とコストをかけます。
「顧客」は一般的に「潜在顧客」「見込顧客」「新規顧客」「既存顧客」の4つに分けることができます。
「潜在顧客」
自社の商品やサービスを知らない顧客
「見込顧客」
自社の商品やサービスを既に知っており、購買につながる可能性のある顧客
「新規顧客」
自社の商品やサービスを始めて購入した顧客
「既存顧客」
自社の商品やサービスを既に購入したことがある顧客(リピーター)
売上を上げるという意味では、「いかに新規顧客を増やすか」と「いかに既存顧客になってもらうか」の2つの大枠になりますが、ステップで分けると
潜在顧客を集客
↓
潜在顧客に商品・サービスを認知させ見込顧客へ引き上げ
↓
見込顧客に購買を発生させ新規顧客に引き上げ
↓
新規顧客に再購買を発生させ既存顧客に引き上げ(→優良顧客への育成)
となります。
そのため、「潜在顧客」「見込顧客」「新規顧客」「既存顧客」をステップごとにしっかりと捉えて、それぞれに対して別のアプローチをしなくてはなりません。
オンライン上で自社メディアをもっていた場合、ステップごとに捉えるのが比較的容易で、
「潜在顧客」を自社メディアに広告などで集客し、お試しサービスやホワイトペーパーをDLした「潜在顧客」は「見込顧客」となり、実際に商品・サービスを購入した「見込顧客」は「新規顧客」となり、商品を再購入またはサービスを継続して使用している「新規顧客」は「既存顧客」となります。
これをオフラインに置き換えると、
店の前の道路を通っている消費者が「潜在顧客」で、イーゼルやポスターを見て入店し試供品やテスター等を使用した「潜在顧客」が「見込顧客」となり、商品を購入した「見込顧客」が「新規顧客」となり、再購入した顧客が「既存顧客」です。
オンラインではアクセス解析をすることでそれぞれのステップを可視化し、それぞれに広告などでアプローチします。オフラインでは集客のために雑誌等へ商品を掲載し、「新規顧客」「既存顧客」に対してDMやカタログ等を送付します。
しかし近年、消費者がオフラインとオンラインをシームレスに横断し、自ら情報を収集することで商品・サービスを認知することも増えました。また、オンラインで認知し購買はオフライン、逆もまた然りとなっています。
これによって、「潜在顧客」「見込顧客」「新規顧客」「既存顧客」それぞれが、ステップ間でオフラインとオンラインを行き来するため、オフライン・オンラインそれぞれで綺麗に分けることが出来なくなり、アプローチの仕方も難しくなりました。
その解決策として生まれた概念が「オムニチャネル」です。
※参照※『本当のオムニチャネルとは?‐位置情報から紐解くオムニチャネル‐』
「オムニチャネル」によって顧客の動きを細かく可視化し、アプローチをすることが可能になりつつあります。しかし細かくすれば良いというものでもなく、そもそものアプローチ対象が減っては意味がありません。顧客の根本は「潜在顧客」「見込顧客」「新規顧客」「既存顧客」に変わりはありません。この大枠を忘れずに、「オムニチャネル」によって的確なアプローチを行うことが、企業と顧客の強い関係性を築くことが出来ます。