毎年様々なマーケティング理論が出てくる中、再度注目を浴びているのがエリアマーケティングです。
エリアマーケティングとは読んで字のごとく、地域(エリア)ごとに売れる仕組み作り(マーケティング)のことで、リテールや外食産業において新規出店を計画する際によく使われる手法です。
従来のエリアマーケティングでは、国勢調査などのジオグラフィックデータ(デモグラフィックデータ)を基に、「該当地域に住んでいるユーザーの世代・所得」「世帯数や世帯年収」といったデータを組み合わせて暮らしや購買ニーズを探り、店舗の商圏と擦り合わせ分析をしていくものでした。
しかし、最近ではデモグラフィックデータだけではなく、オンライン上で取得したライフスタイルや趣味といったサイコグラフィックデータ(心理学的属性)を掛け合わせて、エリアマーケティングに活用されています。
デモグラフィックデータとサイコグラフィックデータを組み合わせることで、より精度の高い該当地域のターゲット層の購買ニーズを把握することができ、その購買ニーズを基に仮設の立案と検証のプロセスを踏むことが出来ます。
そのサイコグラフィックデータをオフラインから取得する手段として位置情報(GPS)があります。
ユーザーの位置情報を蓄積した行動ログから、ユーザーが頻繁に訪問・滞在するエリアを推定し、一人ひとりのオフラインでのライフスタイルや行動範囲を把握することが出来ます。さらにオンライン上で取得できている性別・年齢・興味・サイトの訪問履歴のようなオーディエンスデータに、過去の位置情報を組み合わせることで、オンライン・オフラインを横断したユーザーのペルソナ像をより鮮明化し、エリアマーケティングに活かすことができます。
※「toSTORE Analysis.」では地域内で想定される競合店舗への来店者の規模や居住地を可視化できるため、より具体的な仮説立案・検証を行うことが可能です。詳細はこちら
スマートフォンの普及により、オンラインでの買い物が当たり前となっている今日、オフラインでの買い物を通して得られる価値が問われています。価値の創出のために、エリアマーケティングの重要性は高まり、「地域の商圏把握」から「地域内のリアルタイムで行動するユーザー属性の把握」へと、エリアマーケティングの形も変わっています。
位置情報等を通じて一人ひとりの消費者と向き合うことが今後更に重要となり、エリアマーケティングを成功させる鍵となります。